こころの健康 

パニック障害
保健管理センター 精神科医 内田千代子
 

ふいに襲われる「パニック障害」

突然心臓の鼓動が激しくなる、胸が痛い、死の恐怖襲われる「パニック障害」


男性よりも
女性が陥りやすい「パニック障害」、パニック発作で”死ぬことはない”と知って


「パニック障害」は「不安障害」といわれる病気の一つで、「不安障害」は名前の通り、不安症状が出現して、日常生活や人間関係に支障をきたす病気です。「不安障害」の種類には、人前に出ると“人に変に思われるのではないか”と不安になり人前に出るのを避けてしまう「社会恐怖」、自分でも理不尽であることがわかっているにもかかわらず、不潔な気がして手を何度も洗ってしまうなどの行動を繰り返し行う「強迫性障害」、「PDSD(心的外傷後ストレス障害)」、そして特に今 20 代〜 30 代の女性に多く見られる「パニック障害」の4つが代表的です。
パニック障害は、心臓の鼓動が突然激しくなる、呼吸が苦しく窒息しそうな気がする、死の恐怖に襲われるなどのパニック発作をともないまた発作が起こるのでは…≠ニいう不安から外出を避けたり、一人で電車に乗れなくなるなど行動が制限されるようになります。 このパニック障害は 女性患者が男性に比べ2倍、狭い所や高い所などの空間恐怖を伴う女性患者は3倍も多いと言われています。明確な理由はまだわかっていませんが、ストレス学鋭、環境学説、遺伝学説などがあります。生理前や更年期にパニック発作が起きやすいという女性も少なくないのは、女性ホルモンも何らかの形で関与しているのかもしれません。


パニック発作   以下の 4 つ以上が突然出現し 10 分以内にその頂点に達する。

1)動悸、心悸亢進、心拍数増加 2)発汗 3)身震い、手足の震え 4)息切れ、息苦しさ 5)窒息感 6)胸痛、胸部の不快感 7)嘔気、腹部不快感 8)めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、気が遠くなる 9)非現実感、離人感 10)コントロールを失うこと、または気が狂う事に対する恐怖 11)死ぬことに対する恐怖 12)知覚異常(しびれ感、うずき感) 13)寒気またはほてり


一概には言えませんがパニック障害になりやすいタイプには、まじめ でひたむき、こだわりが強い人が多 いようです。しかし、現在のストレス社会では誰でもパニック障害など の不安障害に陥る危険性を持って いると言ってもいいかもしれません。 これといった予防法があるわけでは ないのですが、充分な睡眠、バランス の取れた食生活、何よりストレスを ためこまず一日 10 分でも自分なりにリラックスする時問を上手く見つけることが予防につながります。もしパニック発作が起こったら大きく 深呼吸してください。そしてパニック 発作で死に至ることはない、と自分に言い聞かせて。現に発作は 10 分ほどで収まることが多いのです。発作への不安から外出できずに 「ひきこもり」生活となる例もあり ますので、早めに病院を訪れ医師に相談することをおすすめします。パニック発作には薬が大変よく効きますし、カウンセリングや行動療法を行うことで必ず克服することができるのですから。